被災地の支援について考えてみました。
このたび熊本・大分地域を震源とする地震で被災された皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。
地震発生から1週間以上が経ちましたが、いまだに余震が続く中での避難生活を送られている方々の事を報道等で目にするたびに、胸が痛みます。
高校生までを九州の佐賀県で過ごした私ですが、熊本市は行ったことがありませんでした。
ですが阿蘇山の近辺は保養所や研修所が多数あり、中学・高校生時代は学校の夏合宿でよくお世話になりました。
先の見通しが立たない不安の中で過ごされている被災者の方々に、少しでも何かできることはないか模索しています。
物資を送る手助けについても検討してみましたが、刻々と変化する状況の中で求められている支援も発生当初と現在では異なってきているようです。
色々調べていると下記の記事を見つけました。
「何が最適なのか」を考える、「賢い」支援とは
大規模な災害が発生すると、善意から大量の救援物資が被災地に届けられますが、無用の混乱を現場で引き起こすことがあります。
国連開発計画(UNDP)、セーブ・ザ・チルドレンなどを通じ中東・北アフリカで子供の支援活動に携わってきた田邑恵子さんは被災地に善意の救援物資を送る前に「何が最適なのか」を考えてみることを呼びかけています。
支援活動のプロがアドバイスする「賢い」支援とは一体何か、現場でのリアルな声を体験されている方のご意見をご参考までに紹介します。
今回はさすがに「送らないように」という呼びかけが一部のソーシャルメディアにてなされていますが、「助けたい」という気持ちが一番効果的に発揮されるように、義援品(救援物資)を送る前に考えて頂きたいことをお話したいと思います。
被災者に行き渡らなかった救援物資
東日本大震災では、報道された一部の避難所に大量の物資、生もの(おにぎり、果物など)が集中し、その一方、物資配給を受けない避難所あるいは自宅退避を続けている方々には行き渡らなかったことが問題になりました。
これは、あまりにも被害の規模が甚大かつ情報網が寸断され、避難所間の調整機能が働かなかったことが原因です。直接、避難所あてに物資が送られたり、届けられたりしました。
現在、これら過去の苦い経験から、避難所間のニーズ情報を共有し、必要なところに、必要な物資が、適切な優先順位にて配布されるような調整機能が、現地の自治体、国際NGOなどの間で模索されています。各避難所に収容されている人数の把握、備蓄、物資の過不足の洗い出しなどが進められています。
一見、遠回りで、効率が悪く見えるかもしれません。ですが、調整システムを経ないで配布された品々はいずれ廃棄されたり、使われることなくしまわれてしまったりする可能性が高いのです
古着は受け付けない国際NGO
海外での緊急支援では国際NGO(非政府組織)は一般的に古着などの義援品の受付はしていません。それは、素材、材質、サイズなどにばらつきが多く、必要とされているところに配布する調整だけで、不必要な時間とスタッフが浪費されてしまうからです。
義援品には、タイミングを逃すなどのミスマッチのリスクもつきまといます。また、大量に送付された義援品(衣料品など)が物流システムへの負担となり、優先されるべき品物(食料や医薬品)などの到着を送らせてしまうリスクも伴います。
その一方、ある地域においては義援品の受け付けを始めましたという報道がありましたが、それらは品物リストを列挙するだけであり、必要とされるスペックがあることは報道されていません。
例えば「下着」は下着としか説明されておらず、スペックに関する情報は報道されません(新品のみ、綿100%のものだけか、化繊混合でもいいのか、サイズは何サイズから何サイズまでが必要なのか、男性用、女性用、子供用、おむつをしている高齢者用などの情報)。
緊急支援において物資の購入をする場合、各団体では規格を合わせ、どの団体も同じ内容の物資を配布するように調整を行っています(素材や家族の人数に応じた量など)。
これは「あそこの方が、中身がいい」という不公平感を呼ばないためです。厳密な基準を設け、それに合致するもののみを受け入れることもあります。
カップラーメンはおススメしない
また、被災者の方がリクエストするものが、一番最適なチョイスではないこともあります。有名な例でいうと、カップラーメンでしょうか。寒い時に湯気のたつラーメンを食べると暖まるし、「ホッ」としますよね。
そのため、昔はカップラーメンを備蓄されていた方も多かったと思いますが、今は備蓄としておススメしない品物のひとつです。それはラーメンの容器が衝撃に弱いこと、1食分を作るのに必要な水とお湯を沸かすための燃料の消費量が多いからです。
災害発生時、初期の段階では給水車も整わず、水、燃料は大変貴重です。ラーメン1食分のために使われる水と燃料のロスが多いのです。
ソーシャルメディアを見て即、行動することは控えよう
善意が現地への負担にならないようにするためには、「賢い」支援のあり方が必要とされています。「○○が△△で必要とされています」というソーシャルメディア上の書き込みを見て、即、行動することは控えましょう。
窓口、受け入れを行っている団体の公開している情報をきちんと調べ、製品の仕様(材質、サイズなど)、数などを確認してから送ることが求められます。
「困っている人のところに届けたい」という気持ちはとても重要です。でも、その善意が支援の妨げとならないためには、次のような点を調べ、検討した上で、最適な方法を選ぶことが支援したいと願う方にも求められています。
(1)自分が直接、避難所・知人に送るのが本当に効果的なのか
(2)周辺市町村にて購入・配布を行っている団体は存在するか(物品ではなく寄付にて団体をサポートする)
(3)被災された方が自分で選んで購入できる手段はないか(物流の回復は思うよりも早いもの。物資がないから直接送りたいというのは、事実ではないことの方が多い)
以上の様にこちらが良かれと思ってとった行動が裏目に出てしまう結果もある事が分かりました。
微力ではありますが、私自身は義捐金の形で協力をしていきたいと思います。
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