2018年度 連弾合同レッスン その2
今日の連弾合同レッスンは小学6年生のAちゃんと5年生のAちゃんの「AA」ペアです。
チェコの「国民音楽派」として名高いスメタナの有名曲をピアノ連弾で演奏します。
国民音楽派とは19世紀前半からヨーロッパのスラブ民族から始まり、次第に東欧や北欧などそれまで西洋音楽の主流にいなかった各国の間に広がっていった民族主義に根差した音楽を作り上げた音楽家達を指します。
特にスメタナは当時オーストリア帝国に支配されていたチェコ国の国家としての独立を強く願っている作曲家でした。
ヨーロッパの列強に抑圧され続けたチェコの国の苦難の歴史を少しでも知っていなければ、演奏をするのは難しい事だと思います。
ですので手元にあった「芸術新潮」の「大ミュシャ展」を特集した号を取り出し、アールヌーヴォーの巨匠だったミュシャの絵画の集大成「スラブ叙事詩」を見せながらチェコの歴史を少し説明しました。
スメタナと同じチェコ人であったミュシャ自身も、スメタナが作曲した交響詩「わが祖国」を聴いて20枚もの巨大な絵画からなる「スラブ叙事詩」の構想を得たと言われているので、活躍した時代や音楽と絵画というジャンルの差はあっても目指す所は同じ祖国チェコの独立でした。
感受性がしなやかな子供達は、少し見聞きしただけでも大人の何倍もの情報を受け取る事が出来ます。
2人ともそれぞれに思う所があったのか、スメタナやミュシャの自分の作品に込めた思いを話して聞かせた後はグッと演奏が真に迫る様になりました。
音楽は単に「楽譜を音に再生する」のではなく、その作品の時代背景や当時の作曲家の状況を少しでも知った上でアプローチして行く事が、より音楽との距離を縮められるのだと思います。
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