ピアノにおける「様式」とは?
毎週火曜日の20時57分からTBS系列で放映されている「マツコの知らない世界」と言う番組をご存知でしょうか?
タレントのマツコ・デラックスさんが毎回、様々なジャンルのゲストを招いて1対1でのトークを繰り広げる番組ですが、3月21日に放映されたのは「マツコの知らない劇場&ピアニストの世界」という内容でした。
登場したのはピアニストの「清塚 信也」氏。「のだめカンタービレ」や「コウノドリ」等のドラマや映画の演奏シーンの吹き替えや、ご自身も俳優として活躍されている方です。
番組ではピアニストの厳しい現実や、今後活躍が期待されるピアニストについてなど、面白くて分かりやすくマツコさんと対談していました。
その中でも私が注目したのは、「これを知ればプロの聞き方がわかる!」と言うコーナーでした。
清塚さんはバッハの「主よ、人の望みの喜びを」を2つのパターンで演奏してみせて、どちらが「コンクールで良い演奏とされるか?」マツコさんに当ててもらいました。
正解は最初に弾いた演奏で、理由を清塚さんは「クラシックは歴史の時代背景や作曲家へのリスペクトを演奏に取り入れる事が大事だから」と説明されていました。
作曲家の生きた時代背景を知る
1600年代に生きたバッハの時代には、まだピアノが発明されてなく、同じ鍵盤楽器である「チェンバロ」で作曲も演奏もされていました。
チェンバロはピアノと違いほとんど音に強弱がつかないので、たとえ現代のピアノで演奏する場合であっても、よりバッハの時代の音や演奏に似せる事が正統な演奏とされています。
これを「様式(スタイル)」と呼びます。
今回の発表会でトリを務めたH君が1曲目に演奏したクープランもバッハと同じ時代のフランスの作曲家です。
客席に強烈なインパクトを与えた2曲目に比べ、「なんだか地味な曲だな」という印象を受けたかもしれませんが、もともとチェンバロ(フランスではクラヴサン)で作曲され、あの様に大きなホールで演奏する事など想定されていなかった時代の楽曲なのです。
「音と指づかいが正しいだけが音楽では無い」とは私が常に心掛け、また言っている事ですが、この「時代に応じた演奏の様式」を学ぶ事も作曲家の真の意図を知る手掛かりとなります。
こちらの番組、「民放公式テレビポータル」や「TBSオンデマンド」にて期間限定で視聴可能ですので、興味のある方は是非ご覧になってください。

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