コロナ禍で読んだ本について その1前編
随分と長い間ブログを書く事をサボっており、前回の投稿から4ヶ月も経ってしまいました。
世界を席巻する「新型コロナウィルス」の猛威から東京オリンピックが延期になり、全国の学校と言う学校が一斉休校し、当教室の2019年度の発表会は中止になり、その後全国に「緊急事態宣言」が発令される中、書くべき言葉が見当たりませんでした。
私の教室は「緊急事態宣言」明けの5月21日から対面でのレッスンを再開しております。
今の所、傍目にはどの生徒さんも元気に通って来てくれているのですが、3ヶ月近い長期休校やそこからの授業数の巻き返しによって過密スケジュールとなった学校生活、日常的なマスクの着用でおそらくは個人差はあれども心身に疲労を感じていない人はいないと思います。
未だ見通しが立たないコロナの収束や経済の先行きに対する不安が世の中に重くのしかかっている状況で、何を書いても楽観的に捉えられたり、反対にネガティブな感情を煽るような内容になってしまう様な気がしておりました。
その様な中、随分前に買っておいたまましばらく放置しておいた本(いわゆる「積読」)を思い出し、手に取ってみました。
メディアにも度々登場されている分子生物学者の福岡 伸一氏の著作「ルリボシカミキリの青(文春文庫)」です。
最先端の生命科学について、小難しい専門用語を使わずシロウトにも理解できる平易かつノスタルジーあふれる文章で書かれた科学エッセイです。
こちらの本、読んでみようと思い立った理由は別にあるのですが、第1章の冒頭は偶然にも「ウィルス」について書かれています。
ウィルスはDNAあるいはRNA、つまり遺伝子を持っている。それがタンパク質の殻で囲まれてできている。
これが空気中を漂って私達の喉や鼻の粘膜に取りつく。細胞の表面に接着すると殻の一部が開き、細胞はハイジャックされウィルスDNAが複製され、ウィルスの殻が多数作り出される。
そしてウィルス粒子が再構成され細胞を突き破って一斉に飛び出し、次のターゲットを探す。
こういった感染の仕組みは、コロナが今ほど蔓延する前に散々テレビで報道されていた様な気がしますが、今頃になってやっと理解しました。
では一体、ウィルスはどこから来たのか?ウィルスの遺伝子を詳しく調べてみると、それはいずれも私達の遺伝子の一部に似ている事が分かってきた。
つまりウィルスはかつて私達のゲノム(DNAの全ての遺伝情報)の一部だったのだ。
長い過程の中で、たまたまはずみで細胞外に飛び出してしまった断片があった。多くのものは分解され絶えたが、わずかなものだけは他の細胞に付着して複製できるチャンスがあれば増え、少しずつ変化し、殻で身を守る様になった。
そして彼らは探し続けたのだ、かつて自分が属していたモノを。
しかしやっとの思いで帰り着いた時には、彼らの姿はあまりにも変わり果てていた。
その為、私達に備わっている免疫系は彼らを受け入れるどころか逆に外敵と見なし、排除しようとするようになった。
喉の痛みや鼻水や咳は、我々と彼らの小競り合いの結果なのである。
だからウィルスは少しでも多くの生物に感染を広げようとするのか、知らなかった!
勿論、ウィルスの正体が分かった所で新型コロナの脅威が無くなるわけではありませんが、やみくもに恐れるのではなく相手を知って「正しく恐れる」判断材料は手に出来ると思います。
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